かかってきた電話を受けないで済ますには留守番電話装置を利用するという手もある。つまり、電話に出たくない時には、この装置に切り替えておき、“居留守番電話”にしてしまうのである。近頃はオーディオコンポーネントに留守番電話を組みこんだものがあって、音楽を聴いている時に電話がかかってくると居留守を使うことができる。この状況を中森明菜が演じるパイオニアのテレビCM(86年8月現在放映中)を見るとこれもなかなか便利そうなのだが、留守番電話は着信時にベルは鳴るわけだから、本当に留守ならいいがその場にいればかなり気になるだろうし、眠っている時にかかれば起こされてしまうだろう。
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それに留守番電話で留守を告げる声というものは、電話をかけた側の気持をガッと白けさせるような効果があって、あんまり感じが良くない。これは主としてこの装置に留守の挨拶を録音する時には誰でも緊張して、普段とはまったく違った、一種機械的な口調になるからだ。もっとも普段と同じ調子で「ハイ、○○です」とやったら、相手は本人が出たと思って話しはじめてしまうから、明らかに違う口調になるのはかえって良いのかも知れないのだが、それにしても、この挨拶の後で機械に向かって話すのは実に味気ないし、何か気後れがして、こっちも機械的な口調になってしまいがちだ。留守番電話もかなり普及した現在では、装置につながればすぐ「あ、これは留守なのだな」とわかる。それなのに留守の挨拶に続き「この後、ピーという音がしましたら……」というような決まり文句を長々と聞かされるのもじれったい。こういうことを考えると、これからは留守番電話を感じ良く使いこなすために、たとえば噺家の出囃子みたいに自分のテーマミュージックを流してから「メッセージをお受けします」と一言だけ話す、というような工夫が必要なのではないだろうか。